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【朗報】奥川雅也「自分はハーランドに負けてなかった。チャンスはある。」

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 ヨーロッパ各国で日本人選手の活躍が目立った2019-20シーズン、オーストリアの地で結果を残したのは奥川雅也だ。2015年夏に京都サンガからザルツブルクに移籍し、南野拓実とチームメートとなったものの、過去4シーズンは期限付き移籍を繰り返していた。しかし迎えた5年目リーグ戦9ゴールをマークするなど、チームの国内2冠に貢献した。
リバプールへと旅立った南野の後継者としても期待を集める中で、奥川自身はこれまでのキャリアをどのように積み重ね、今後どのようにステップアップしていこうと思っているのか。帰国中、「LP BASE虎ノ門」にて自主トレーニングに臨んでいた奥川に直撃インタビューした。

9ゴールにも「もっと取れた」。

――これまでのオフとは心境が違うんじゃないですか? 誇らしいというか。

「どうですかね(笑)。ただ、家族や友人たちの反応は、いつもとは違いましたね。これまではずっとレンタルだったので、ニュースで取り上げられることも少なくて。でも、昨シーズンはザルツブルクで試合に出て、優勝もできたので、みんなが知ってくれていて。だから、周りからの受け入れられ方は違いました」

――期限付き移籍だった過去の3チームは、決して強いチームではなかった。一方、ザルツブルクは優勝が義務付けられたチーム。シーズンを戦うにあたっての心構えは、どう変わりました? 

「レンタルだった4年間は、実力を示さないとザルツブルクに戻れないと思っていたので、チームに貢献するというより、いかに結果を残してザルツブルクにアピールするかを考えていて。でも、ザルツブルクは6連覇中だったので、自分が入って連覇を止めるわけにはいかないっていうプレッシャーが強かったです。優勝を経験したメンバーがかなり残っていたので、競争も激しくて。

 ただ、運良く、監督が代わったばかりで、イチからの競争になったのは大きかったですね。プレシーズンから自分の調子も良くて、最初から使ってもらえましたし」

――リーグ戦2試合連続ゴール(ラピッド・ウィーン戦、マッテルスブルク戦)と、これ以上にないスタートでした。平常心で臨めたんですか? 

「けっこう緊張していたんですけど、緊張やプレッシャーを感じていたぶん、集中できたのかなって。入りが良かったので、流れに乗れました」

――リーグ23試合9ゴール。この成績に関しては? 

「9ゴールまでいったんだから、ふた桁行きたかったというのが正直なところですね。メンタルトレーナーの方とよく連絡を取るんですけど、シーズン中はしょっちゅう目標を確認されて、そのたびに『カップ戦も含めてふた桁』と話していたんですよ。その目標は達成しましたけど(公式戦11ゴール)、リーグ戦でもっと取れた。もったいないなと思いますけど、キャリアハイをマークしたので、少しは成長できたかなとも思っています」

簡単に点を取れる方法を……。

――奥川選手に対するイメージは「典型的なドリブラー」というものでした。でも、昨シーズンのゴールシーンを見ると、すごくストライカーっぽいというか。

「そうですね、確かに」

――ウインガーがカットインして決めるような形ではなく、ゴール正面に飛び出してワンタッチで決めるゴールが多かった。ゴールに対する意識や取り方は、レンタル期間中に変わったのか、それとも、ザルツブルクで存在感を示すために変えたんですか? 

「昨シーズンのゴールの取り方はドイツ時代(2018-19シーズン)と似ていて。ホルシュタイン・キールでは、たいして得点してないんですけど、中に入ってワンタッチで決めるゴールが多かったんです。チームにストライカーがいないから、これをやれる選手がいなくて。

 シーズン終盤に2トップの一角で起用されるようになったんですけど、その形を意識するようにしたら点が取れた。言い方は悪いですけど、簡単に点を取れる方法を見つけたというか」

――ドリブルで何人も抜かなくても、飛び込めばもっと楽に取れるんだ、と。

「このやり方なら取れるんだな、という感覚を掴んでザルツブルクに帰ってきて。ザルツブルクの攻撃が縦に速いし、サイドバックにボールが入ったら、速いクロスを入れてくるので、ゴールに突っ込んだら、ザルツブルクでも決められた。これは使えるな、と思ってやり続けたら、9ゴールになったという。その反面、自分の持ち味であるドリブルからのシュートは少なくなってしまいましたけど、プレーの幅は広がったかな、と思っています」

サンガの下部組織でもFW希望。

――クロスをワンタッチで押し込むだけでなく、ディフェンスラインの裏でパスを受けて決めたゴールもありますよね。ボールの引き出し方にセンスを感じました。それこそ、ずっとFWでプレーしていたかのような。

「小さい頃はずっとFWだったんですよ。だから中学時代(京都サンガF.C. U-15)も、監督に『FWをやらせてほしい』と言っていて。その頃からスルーパスに抜け出すようなプレーが好きで、それが感覚として残っているのか、抜け出すタイミングが分かるのが大きいというか。

 味方からも良いタイミングでスルーパスが出てくるし、スピードも自分の持ち味のひとつなので。これまでは裏に抜け出して1対1を決めるというのが自分の課題だったので。そういう意味では昨シーズン、そういうゴールが増えたのは良かった。自分の持ち味と合わせていければ、もっといいのかな、と思っています」

ポリバレントな資質をどう捉える?

――ウイングなのか、トップ下なのか、1トップとは言わないけれど、2トップの一角など、よりゴールに近いポジションがいいのか。どこがしっくりきますか? 

「やりたいところで言えば、サイドですけど、監督からは『どこでもやれる選手は使いやすい』とよく言われていて。シーズン中盤にはボランチもやりましたし、FWも、10番(トップ下)もやって、シーズン終盤にはサイドバックもやった。使い勝手がいいってわけじゃないですけど、どこにでもハマるプレーヤー、かつゴールを狙える選手はそんなにいないので、どのポジションで起用されても、自分のプレーを出せるようになれればいいのかなって」

――「トップ下じゃなきゃ嫌だ」とか、「後ろのポジションは嫌だ」と言う選手もいるけれど、ポリバレントな資質を評価されることをポジティブに受け止めている? 

「最初はやっぱり『え? 』って思いましたよ。でも、使ってもらえるということは、他の選手を押しのけて出るっていうことなので責任があるし、子どもの頃、センターバックやGKをやりたいという、よく分からない時期もあったんです(笑)。

 サイドバックから見える景色と、トップ下から見える景色は違うし、いろんなポジションをすることでプレーの幅が広がってくる。ただ、どのポジションに入っても、前を狙うプレーは絶対に忘れたくない。それは意識しています」

試合に出るために守備もやらないと。

――「俺はこうだ」と決めつけなければ、この先、自分でも想像がつかないようなスタイルに成長を遂げていくかもしれない。

「実際、そうなってきていると思うんですよね。以前は守備をしないイメージだったと思うんですけど」

――確かに(笑)。

「今は、普通に守備もしますし。現代サッカーでは、試合に出るために守備もやらないといけない。要領良くじゃないですけど、どんなに攻撃面に自信があっても試合に出られないと意味がないから、守備も練習からしっかりやって、監督にアピールしていましたね」

――特にザルツブルクは攻守のトランジションが速く、非常にインテンシティが高い。そうしたサッカーの面白さも分かってきた? 

「そうですね。ザルツブルクのサッカーは、やみくもにプレスを掛けているだけやろ、と思われがちですけど、(相手の)ハメ方にもいろいろあって、それがハマると強い相手に対してもいい試合ができますし、攻撃を考えた守備なので、攻撃の選手からすると、すごくやりやすい。前でボールが取れれば、ゴールが近いですし、ショートカウンターを繰り出して、クロスに合わせるのが自分の武器になりつつある。

 ザルツブルクのサッカーは、現代サッカーのトップを走っていると思いますね。相手が強かろうが、弱かろうが関係ない。どんな相手に対しても自分たちのサッカーができるのがザルツブルクの強みというか。それが7連覇に繋がったと思います」

拓実くん、やっぱり凄いなって。

――南野拓実選手(現リバプール)とのアベックゴールも4回ありましたね。リバプールに移籍する直前の彼と同じピッチに立ったわけだけど、何を感じられましたか? 

「いやあ、この人、やっぱり凄いなって(笑)。プレーが凄いのは、結果も出しているから、みんな分かっていると思うんですよ。何が凄いって、メンタルの部分。負けず嫌いなのは昔から知っていましたけど、日本人っぽくないんですよね。誰に対してもガイガイ言って主張するし。ほんまに“THE海外選手”というか。しかも常にポジティブで、一切ブレない。横で見ていて、凄いなって思っていました」

――ユース代表では一緒にプレーしていたけれど、その頃との変化は? 

「少し丸くなっていました(笑)」

――ハハハハ。

「オフ・ザ・ピッチはめちゃいい人でしたけど、試合中はもっとツンツンしていたというか(笑)。昔からオーラというか、風格があって、プロっていう感じでしたね」

僕はギラギラを表に出さないタイプ。

――南野選手のようなメンタル、身に付けられそうですか? 

「いや、僕はまったく別のタイプなので」

――どういうタイプ? 

「ギラギラを表に出さないタイプ。あまり他人にガイガイも言わないし。まあ、ユース時代は言ってましたけど(苦笑)。今は、どうすればうまくいくか自分の中で冷静に考えるようにしています。監督からは『もっと(気持ちを表に)出せ』と言われるんですけど、そこは曲げずに。『出すときは出すから大丈夫』と言っています。監督も理解してくれているので。だから、拓実くんとはまったく違うタイプだと思いますね」

――でも、秘めるギラギラはあると。

「めちゃめちゃあると思います」

ハーランドらの移籍を見て……。

――冬に南野選手がリバプールに移籍した。アーリング・ハーランドもドルトムントに旅立っていった。一緒に戦っていた選手たちがビッグクラブに買われていくのを、どんな想いで見ていました? 

「行くだろうなとは思っていましたけど、自分も全然負けてないというか。練習中でも負けてないですし。そういう意味では、楽観視するつもりはないですけど、自分にもチャンスはあるなというか。ここまで来てるんや、というのを実感しましたね」

――南野選手は学年ではふたつ上、年齢はひとつ上。自分にも来年か再来年、チャンスが来ても不思議ではないと。

「そうですね。レンタルのときには、ビッグクラブに移籍する選手はいなかった。同じチームで一緒にやっていた選手がビッグクラブにいきなり行くのを見るのは、すごく刺激になりましたね」

引用元:https://news.yahoo.co.jp/articles/20b5c9cc6e921135af44d75394d79764ae867962

 

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