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雑草アタッカー・伊東純也が語る “大卒”のメリットとは? 県ベスト32公立校→CL出場、そして30歳直前で臨むカタールW杯

記事の内容

ベルギーリーグで高いパフォーマンスを見せ続けるMF伊東純也は、いまやサッカー日本代表にとっても欠かせないピースとなっている。プロ入り後、猛烈な勢いでステップアップしてきた“回り道”のキャリアを、飾らない言葉で語った。

 Jリーグ時代から右サイドのチャンスメイカーとして名をはせていた快足ウイングは、今季開幕前に「10ゴール10アシスト」の目標を自身に課した。

「アシストは元々得意だったので、ゴールでインパクトを残したかった。(10得点で)ギリギリだったけど、狙ってできたのはよかったです」

 リーグ戦ではKRCヘンクをプレーオフに導き、カップ戦では自らのゴールでタイトルをもたらす。充実の日々を送る現在、伊東純也は従来の武器に磨きをかけるとともに、プレーの幅も広げている。

「でも、何かを変えようと意識したっていうより、10点取りたいなと思っていたら取れた、って感じです(笑)」

希少な右利きの右ウイング

 右利きは左サイドに、左利きは右サイドに――。現代サッカーでは、“逆足”のアタッカーを前線の両サイドに配置することが多いなか、希少な右利きの右ウイングは、その存在自体が貴重だ。日本代表で右のポジションを争う堂安律や久保建英といったレフティが、彼の価値を際立たせる。

「利き足が中を向いていると、どうしてもカットインばかりになったりするんですけど、右利きの右サイドだとピッチを幅広く使えたり、突破してクロスを上げたりが増える。他にあまりやっている人がいないので自分の特長は出しやすいし、自分としても右サイドのほうがやりやすいです」

 ベルギーへ渡っておよそ2年半。伊東が日本代表の序列を動かし始めている。

 今でこそ海外組に名を連ねる伊東も、エリートコースとは無縁の道を歩んできた。実力うんぬんの前に欲がなかった。

 高校進学時には、「サッカーが強い私立へ行く選択肢もあった」というが、「強い高校の、寮とか、上下関係とかが嫌だなと思って。それで家から通えるところにしたんです。公立のほうがお金もかかんないし」。そうして選んだのは、母親の母校でもある神奈川県立逗葉高校だった。

「オレが入学する一個前の年に(全国高校選手権予選の)神奈川県決勝まで行っていて、結構強いじゃん、と思ったんですけど、入ってみたらめちゃ弱かった」

 伊東が高3時の成績は、県予選ベスト32 。選手権出場の遥か手前で敗退した。

 大学進学時に神奈川大学を選んだのも、「実家から通いたかったんで。シンプルに家から近いし、関東1部だったし」。その時点では、プロになりたいという気持ちも「それほど強くはなかった」という。

「オレ、大学1年のとき、監督やコーチからめっちゃ怒られていて。『後ろをダラダラ走んな! 』とか(苦笑)。大学に行ったことで、プレー面でもトータル的に成長できたとは思いますけど……、一番は人間として、って感じです」

「ボコボコに負けた」試合で光った伊東のプレー

 しかしながら、現在の状況とはおよそ不釣り合いな緩い経歴からも、よくよく話を聞いていると、いくつかの逸話に出くわす。

 例えば、高校時代。

 伊東擁する逗葉が、神奈川の強豪校、桐光学園と試合をしたときのことだ。

 当日の試合会場には、桐光の選手目当てに大学関係者が数多く集まっていた。伊東の記憶によれば、「ボコボコにされて1-6で負けた」が、一太刀浴びせた伊東のプレーが、偶然にもスカウトたちの目に留まった。「それで、いろんな大学からオファーをもらいました」。

 あるいは、大学時代。

 関東1部と言えば、全国から優秀な選手が集まる、大学サッカー界最高峰のリーグである。「普通の県立(高校出身)の、県32の、9月に部活を引退していた自分が、どれくらいできるんだろう」。高いレベルでのプレー経験がなかった伊東は、少なからず不安を抱えていた。

 ところが、「1年から試合に出られて、『あ、これ、オレでもできるな』って」。その後、関東選抜のメンバーにも選ばれるようになると、「そこにいる選手は、ほとんどプロへ行くみたいな感じだったんで、自分もならなきゃいけないって思いました」。

 かくして、神大から当時J1のヴァンフォーレ甲府入りした伊東は、甲府で1年、柏レイソルで3年を過ごした後、2018年を最後に日本を離れ、ヘンクへ移籍。すぐに定位置をつかむと、渡欧から半年ほどでベルギーリーグ優勝の美酒に酔い、その数カ月後にはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台に立っていた。

 ヨーロッパでの成功のひとつの目安をCL出場とするならば、伊東は過去最短でそれを手にした日本人選手と言えるかもしれない。

 現在は20歳前後でヨーロッパへ渡る日本人選手も少なくないが、少しくらい遠回りしてもCLにだって出られる――。伊東の立志伝にはそう記されている。

「大卒の選手は年齢的にも即戦力なんで、ハングリー精神というか、結果を出さなきゃいけないっていう意識は強いかもしれない。いい意味での焦りがあるというか、1年1年の重みみたいなものが違うというか。その分、プレッシャーはありますけど、ある程度成長した段階でプロに入れるんで、そこは(大卒の)メリットなのかなって思います」

 そんな伊東の言葉を裏づけるように、近年のJリーグでは大卒選手の活躍が目立つ。今年3月の日本代表メンバーを見ても、そうした顔ぶれが新たに数多く加わった。

 とはいえ、大学経由でのプロ入りは、いいことづくめではない。伊東はそれも十分に理解している。

「ヘンクにも17、18歳の選手がいっぱいいるので、23歳だともう全然若くない。(大卒1年目の)23歳でプロになるのは、ちょっと遅いかなって思います。やっぱり若い選手のほうが使われますからね。どのチームも若い選手を使ってみたいって思うし、それで当たれば売れるし。若い選手のほうがチャンスは多いし、市場的にも価値が高い。そういうのは感じます」

 だからこそ、28歳は必死に戦う。

「自分はチームで(年齢が上から)2番目なんで、そういう面では、若いヤツより実力が圧倒的に上だっていうのを見せないといけないと思っています」

「先を見据え過ぎずに一個一個」

 学生時代には、自分が海外のクラブでプレーすることなど考えもしなかった。「(ヘンクへの)移籍が決まるギリギリまで意識していなかった」という言葉に嘘はない。

「オレの経歴からすると、まずプロになるのが大変だったんで。だから、先を見据え過ぎずに一個一個、って感じですね。高校から大学、大学からプロって、一個一個進むしかなかったんです」

 だが、ゆっくりと、それでいて着実にステップアップしてきた伊東は今、新たな扉を開くときを迎えている。

「ベルギーで結果を出したことで、応援してくれる人たちも、もっと高いレベルで見たいという期待をしてくれていると思います。自分にはそのチャンスがあるんで、もっとできるっていうところをしっかり見せたい。どこのリーグがいいとかはないです。一番はやっぱり、(自分を)欲してくれるところだと思います」

 もちろん、来年カタールで開かれるワールドカップは、「年齢的にもベストだと思うんで、そこは目指してやっています」。

 移籍によって出場機会を失うことは当然避けたい。28歳での選択に、それなりのリスクがともなうことも分かっている。

 しかし、だからと言って、高いレベルを知ってしまった以上、もう足踏みはしていられない。

「日本が世界で勝つためには、上のリーグでやっている人が多くならないと、やっぱりダメだと思うんで。そういうチャンスがある人はどんどん行ったほうがいい。自分にもチャンスが来たら、そこでしっかり結果を出すしかないと思っています」

 1993年3月生まれの伊東は、ワールドカップを30歳の誕生日まで残り数カ月というタイミングで迎える。日本代表でも決して若いほうではない。「しっかりチームのためになるプレーをしないといけない」。そんな自覚は確実に膨らんでいる。

「今でも(ランニングのときに)前にはあんまり行きたくない。代表のときも今、だいたい後ろを走っています」

 そう言って苦笑する伊東。「いや、でも」。急に語気を強めてつけ加えた。

「ダラダラは走ってないですよ」

 些細なことのようで、案外見逃せない、28歳の決意が垣間見えた。

 

1:名無しさん@さかまと!

伊東は今の代表には稀有な存在。
テクニカルな選手が多い中、スピードで勝負できるのはスタメンなら唯一。
ベンチ含めても他は大然くらいしかいないしね。
伊東はスピードスターにありがちな足元ボロボロってタイプじゃないし、
決定力も標準以上、当たりに弱い印象もないし、ディフェンスも真面目にやってくれる。
久保や堂安もよい選手ですが、伊東が外れると似たような選手が多くて一本調子になってしまうし、
さらに言えば相手にポゼッションを上回れると攻め手を欠く印象。
伊東がいなかったらぞっとする。
もっと評価されてもいいくらいに思います。

 

2:名無しさん@さかまと!

ディフェンスしているのを見ていると、相手がクリアする時や、
センタリング上げるときに引っ掛けたりブロックする率が目立って高いように思える。
動体視力が良いのか、身体の動きを読むのが上手いのか、
簡単に抜かれたり寄せをサボったりもしないし
ディフェンスに安心感◎

 

3:名無しさん@さかまと!

スピードスターでありながら、テクニックもあり、クロスやパスも上手くて、
カットインしての左足のシュートもうまいってたいしたもんだよ。
28歳まで、あんなにガンガン仕掛けてファールで潰されたりしながらも、
大怪我なく活躍してこられて、30歳近づいてもスピードが全く衰えてないのがまた凄いよな。

 

4:名無しさん@さかまと!

甲府でプレーしてる時にはまさかこんなに凄い選手になるとは正直思ってなかった。
スピードはあるけど…ぐらい。
けど、今は代表に不可欠な選手。突破もできるしゴールもアシストも出来る。
最終予選は伊東の力が確実に必要だし、期待してます。

 

5:名無しさん@さかまと!

ゴールとアシストがたくさん取れるということは、つまりキックの精度が高いということ。
ベルギーでのプレーを見てると、結構ピンポイントでクロスをあげているので、
あとはフォワードが合わせるだけという得点が多いです。
「スピード」+「キックの上手さ」+「献身的な守備」を併せ持った素晴らしい選手だと思います。

 

6:名無しさん@さかまと!

スピードには不調が無いし、
伊東の場合駆け引きもうまく、
なんといっても攻→守の切り替えが早い。
スピードスターは寿命短いけど、次のクラブ選びと怪我次第では、4年後だって目指せると思う。

 

7:名無しさん@さかまと!

海外に早く行くことがゴールみたいな風潮とは違うストーリーの伊東選手
森保のメモ帳にも名前あるんで、このままワールドカップまで進んでください

 

8:名無しさん@さかまと!

ヘンクで主力として活躍しているのは紛れもない事実。
ただ、どうしても「ベルギーリーグだからねぇ…」って思いが拭えない。
鎌田や冨安のように、ベルギーリーグから次のステージへステップアップした姿を見たい。

 

9:名無しさん@さかまと!

今季も数字残してるけど、クラブの調子が良くないね。
監督変えたりが上手くいってない。
リーグ10位はちょっとなぁ、年齢や移籍金の絡みもあるだろうけど5大リーグいってほしいね。

 

10:名無しさん@さかまと!

同じ高校に通ってたマリノスのエース候補小野とは面白いほどに実力逆転してしまったよな。
高校時代の小野は伊東のことそんなに意識しなかったろ。
桐光学園にボロ負けするってことはマリノスユースにもボロ負けするレベルの高校のサッカー部やったから余計に。

 

11:名無しさん@さかまと!

高いところばかり目をやらずに与えられた環境で全力を尽くす、それを体現されてるのが素敵です。

 

12:名無しさん@さかまと!

マケレレとかも代表にがっつり絡み始めたのは20代後半からだし、ヴァーディーやフッキみたいな成り上がりもいる。
低給でも続けるサッカー愛やひたむきさとかエリートじゃ得られないものもあるね。

 

13:名無しさん@さかまと!

良い話ですね。
小、中、高と目立った結果だせなくても、実力があればどこかで目に留まるのですね。

 

14:名無しさん@さかまと!

こんなとんでもない経歴だったんですね
流経やユースの選手が柏の伊東選手見て直でのプロ諦めたとかの記事見て
最初からずっとすごい選手なのかと思ってたけど成長し続けてる感じなんですね

 

15:名無しさん@さかまと!

甲府ではサイドバックで活躍した。
代表もケガ人次第では、サイドバックもありではないか?

 

16:名無しさん@さかまと!

大学四年の時に練習試合しましたが、笑えるくらい速かった。
伊東選手と宮市亮の速さはトラウマになりました。

 

17:名無しさん@さかまと!

伊東、古橋、三笘、旗手ら最近の大卒選手ってなかなかおもしろい選手が多いですね

 

18:名無しさん@さかまと!

欧州CLを最高峰とするのならば、プラチナ世代で最も成功した選手。

 

19:名無しさん@さかまと!

レイソルの本当に初期はSBにコンバートされてたよな。

 

20:名無しさん@さかまと!

もう少し若かったらプレミアに移籍できたんだろうな
その点は遅咲きの選手は不利だな


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