三笘と旗手の対談が結構興味深い
旗手はまだまだ海外行かなさそうな雰囲気
記事の内容
ブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンFC(イングランド)へ完全移籍が発表された三笘薫選手、そして川崎フロンターレの旗手怜央選手のクロストークをお送りします。
この対談はACLグループステージでウズベキスタンに遠征している最中に行ったものですが、諸般の事情により三笘選手の移籍発表がずれこんだため出すタイミングが遅れてしまいました。
プレースタイルやキャラクターは違えど、大学時代から切磋琢磨してきた2人。プロの世界に入ってからはフロンターレの同期として、2021年はU-24日本代表の一員として、お互いに刺激を受けながら成長を続けてきました。
これからは違うクラブ、違う環境でプレーすることになりますが、いつかA代表のメンバーとして同じピッチに立ってもらいたいと思います。
──そもそもお互いのことを知る最初のきっかけはどんな感じだったんですか?
三笘「大学1年の冬の全日本選抜です」
旗手「あ〜、そうだ」
──学生時代からお互いの存在は認識していたんですか?
三笘「僕は知っていました。大学1年の夏からレオが全日本に入ってきて、順天の旗手がやばいぞって関東で噂になっていたんですよ。実際に見たら本当にやばかったです」
旗手「カオルは大学最初の頃は試合に出てなかったんだよね」
三笘「そう。1年の秋ぐらいからかな」
旗手「カオルが試合に出はじめてから、名前を聞くようになりました。インカレの頃だったかな。えぐいドリブルで相手をかわしてゴールを決める動画が回ってきて、なんじゃこりゃって。で、冬の全日本選抜の選考会ではじめてカオルと会いました」
──お互いの最初の印象は?
三笘「レオはこのまんまですよ。そのときはストライカーで、我が強くて、フィジカルが強くて、この体で1年かって思いました」
旗手「でも最初はそんなにしゃべってないよね」
三笘「そうだね」
旗手「大学2年になって選抜チームの活動が増えてきてからかな」
三笘「レオは近寄るなオーラが出ていたので」
旗手「そう? まぁ大学のときは、ちょっとだけ尖ってたんで。誰でもあると思うんですけど」
三笘「大学2年のユニバ前の合宿で一緒に過ごして、キャラクターがだいぶわかってきた感じですね」
旗手「2年生で選抜に選ばれたのは自分たち2人だけだったから、ほとんど同部屋だったんですよ」
三笘「部屋が同じだったし、2年生だから荷物の出し入れとかで先輩よりも早めに集合しなきゃいけないんです」
旗手「そこでカオルがさぼる」
三笘「いやいや、さぼってないですよ。レオがめちゃ早いんです」
旗手「カオルが遅いんです(笑)」
三笘「レオは時間にきっちりしてるんですけど、僕はけっこうマイペースなんで」
旗手「きっちりっていうか、怒られたくないじゃん。だから早めに行くんですよ」
三笘「『あれ、レオ早くね?』っていつも思ってました」
──大学時代、同じチームでプロ入りするとは思っていませんでしたか?
旗手「カオルは大学で着実に結果を残していたので、絶対フロンターレに行くと思っていました。自分はどうしようかってなって、フロンターレに練習参加したときに『ここだ!』って思いました。フロンターレがどんなチームなのかっていうのは、カオルからちょくちょく聞いていたんです」
三笘「『決めた』って連絡が来たんですよ。レオは他のチームにも練習参加していたので、『おぉマジか』って感じでした。」
旗手「たぶん親の次ぐらいにカオルに連絡したんじゃないかな」
三笘「同期がいるのは嬉しいなと思っていたら、ゼイン(イサカ ゼイン)、カイト(神谷凱士)もフロンターレに入ることが決まって、全部で同期4人になったっていう」
旗手「同時発表の方がインパクト強いんじゃないかってことで、最初2人同じタイミングでリリースされたんだよね。それまで大学では誰にも言ってなかったですけど、アミノバイタルの大会のバスの中でたまたま先輩がニュースを見て、おいおいまじかってなりました」
三笘「よく言わないで過ごせたね」
旗手「言わなかったよ。その大会に行ってからも周りの人たちがざわざわしてた」
──プロの世界に入って、2年で2人ともここまでくると想像していましたか?
三笘「いやー、正直想像できなかったです。自分のことで精一杯でした」
旗手「そうだね。でもカオルがJリーグでここまで圧巻のプレーするとは思ってなかった」
三笘「そもそもフロンターレでこんなに試合に出られると思ってなかったので」
旗手「自分もプロ1年目のキャンプに合流して、『選んだチーム間違えた…』って心の底から思った(笑)。ちょうど大学4年のケント(橘田健人)が練習参加していて、『このチーム、まじでレベル高いぞ。俺は後悔してる』って話をしたもん」
三笘「この前U-24日本代表に選ばれたとき、フロンターレを選んでよかったって言ってたじゃん」
旗手「いや、それは選ばれた瞬間の話ね。プロに入った最初の頃は危機感しかなかった。大学のときにフロンターレに練習参加したんですけど、それってただ練習に来てるだけで戦力としては見られていないんです。プロになって戦力として見られたとき、これは俺やばいわって思いました」
三笘「確かに。僕もプロ1年目で同じポジションにマナブ君(齋藤学)とタツヤ君(長谷川竜也)がいて、これはやばいチームに来たなって思いました」
旗手「カオルも自分もチームに怪我人が出て試合に出るようになったので、それがなかったらどうだったのかなって思いますね。カオルはそういうことに関係なく試合に出てたかもしれないけど」
三笘「いや、間違いなくここまで来てない。運やタイミングもあったと思う」
──2人とも試合に絡むようになって、同時に出場する試合も一気に増えました。
「お互いのプレースタイルはわかっていたので、一緒に試合に出ればうまくやれるっていう思いはありました。ただ最初はどちらか1人が試合に出られるかどうかっていう状況だったので。そこから最初ウイングの右と左で一緒に出たときいいプレーができたので、少しずつ計算されるようになっていったんじゃないかなと」
──2人とも同じタイミングでプロ入りして、同じ大卒選手でということで、何かと比べられることが多いと思いますが。
三笘「そうなんですよね。周りに比較されるというか、比較したがるというか」
旗手「『ライバルとしてどう思うか?』みたいな感じでよく聞かれるもんな。もちろん意識はしますけど、比較はしないです。これだけはちゃんと言っておきたい(笑)」
──三笘選手の場合、2020年からフロンターレの基本フォーメーションが4-3-3に変わり、そこでウイングのプレーを確立できたのが大きかったのでは?
三笘「それは大いにあります。ウイング、めちゃくちゃ楽しいですもん」
旗手「だろうなあ」
三笘「プロに入ってはじめて経験したポジションでしたけど、ウイングってこんなに攻めることができるんだって思いました」
旗手「そこがポジションが定まった選手と定まらない選手の差ね…」
三笘「レオはポジションが定まってないのが逆に武器だから」
旗手「でも、ひとつのポジションであれだけ圧倒的なプレーを見ると、やっぱりすごいなってなるよ」
三笘「僕の場合、それがなくなったら選手として終わりですから」
旗手「強烈な個じゃないですか。だからカオルの良さは絶対なくならないと俺は思っているので」
三笘「僕は100かゼロです。レオはどのポジションをやっても80以上の力を出せるのがすごい」
旗手「100と80じゃ全然違うんだって。100は消されることはないよ」
三笘「わからないよ。120の相手が来たらゼロになっちゃうかもしれない。ないものねだりじゃないですけど、レオの何でもできるプレースタイルに憧れますね」
旗手「自分でもプロに入ってこんな感じになるとは思ってなかったです」
三笘「僕もレオがサイドバックをやるとは思ってなかったです」
──前線や中盤だけではなく、サイドバックでも出場するようになったのが旗手選手のひとつの転機ですね。
旗手「サイドバックで試合に出てなかったら、きっとU-24日本代表にも選ばれてないですからね。でも、サイドバックが嫌とかではなくて、ここだっていうポジションがない自分にふがいなさを感じるときもあるんですけど」
三笘「今のレオだったらインサイドハーフが一番生きるんじゃないかなあ。プロ1年目はウイングでしたけど」
旗手「ごりごりのウイングね」
三笘「そう考えると選手のプレースタイルって、ちょっとしたきっかけで変わるんだなって思いますね」
旗手「去年インサイドハーフで出たのって2試合ぐらいじゃないかなあ」
三笘「今や試合になると、どこにでも旗手がいますからね。ヒートマップがすごいことになってる。プロでGK以外全部できる選手ってなかなかいないですよ」
旗手「センターバックはできないです」
三笘「やろうと思えばできるかも。パトリック選手とかとマッチアップしたら無理だけど(笑)」
旗手「無理無理。絶対競り勝てない」
三笘「ただ、いろいろなポジションができる選手って、ベストイレブンを狙えないタイプなんですよね。チームには絶対必要な存在なんですけど、ベストイレブンとなるとどうしても目立つプレーヤーが選ばれがちなので」
旗手「そもそもFW登録だし。でも一番試合に出てるのは左サイドバックっていう」
三笘「DF登録にしたらいけるかもしれない(笑)」
旗手「ショウゴさん(谷口彰悟)がMF登録でずっとベストイレブンに選ばれなくて、DF登録に変わってからすぐベストイレブンを受賞しましたからね」
三笘「もうDF旗手、MF旗手、FW旗手でいいんじゃない? ベストイレブン3人が旗手(笑)。もし対戦相手で全員レオだったら、めちゃくちゃ走る嫌なチームですね。全員同じ選手で機能するチームがあるとしたら、旗手かシンタロウ君(車屋紳太郎)って感じ」
旗手「GKがソンリョンさん(チョン ソンリョン)で、あとはせんぶ旗手?(笑)」
三笘「そう。まじで強いと思う。僕が11人いてもチームとしてうまくいかない」
──三笘選手は海外のクラブで新たなチャレンジになります。これから違う道を行くことになりますが。
三笘「アオ(田中碧)もそうですけど、この先どうなるかわからないですけど楽しみですね。それぞれ違うレールに乗ることになりますが、最終的にはフル代表で一緒にプレーしたいです」
旗手「サイドバックでもインサイドハーフに入っても、やっぱり最初に見るのはカオルでしたからね」
三笘「レオからめちゃくちゃいいボールが来るんですけど、僕が遅れちゃうっていうのが多かった。ACLでも何度かいいボールが来たんですけど、ああ届かないって思いながら突っ込んでいました」
旗手「ACL大邱戦がカオルのフロンターレ最後の試合になるかもしれないっていうのが頭にあったので、絶対俺のアシストで終わってがほしいって思ってたんですけど」
三笘「いやー、そうなんですよね。決められなかったので、ゆくゆくはフル代表の舞台でレオのアシストで決めたいです」
──田中碧、旗手怜央、三笘薫のラインで決めるとか。
三笘「やりたいですね」
──では最後にお互いにエールを送り合うという形で締めましょうか。
旗手「ほめ合って終わり?」
三笘「頑張れ」
旗手「え」
三笘「違うか(笑)」
旗手「まぁ、いいんじゃない?」
三笘「頑張ろう、だね」
旗手「実際それしかないから。でも、これだと薄いなあ」
──お互いに期待を込めてということで、もうひと言お願いします。
旗手「みんな思っているでしょうけど、カオルはやっぱりドリブルでしょう。Jリーグで圧巻のプレーを見せてきたドリブルが、世界でどれぐらい通用するのか楽しみです」
三笘「まったく通用しないかもしれないけど」
旗手「いや、それはそれでいいんだって。俺はカオルのドリブルがどれぐらい通用するのか楽しみにしてるし、もし通用しなかったらあいつでも通用しないんだってなるだけだから。どちらにしても今後のサッカー人生の成長につながると思うし」
三笘「僕はレオに期待するプレーは全部って感じです。実際全部できるプレーヤーなので。どこに行っても適応できる能力があると思っています。代表でサイドバックをやったり、フロンターレでもウイングバックやインサイドハーフをやったり。どこにでも顔を出して、対人で勝って、シュート決めて、そういったレオらしいプレーを続けて欲しいと思います」
さらにサッカーうまくなりたいという向上心があって代表チームに参加した選手がやはり欧州
行かなきゃと思い始めるのは誰にも止められないけどね
本人は行きたがってると思うけどもうワンランクパワーアップしないとろくな使われ方されないと思うんで
得点力伸ばすか家長ばりに時間止めるようになってから海外行ってくれといったところか
やっぱりレオ心の中ではウイングやりたいんだな
隠し切れてない
周りは他のポジションさせるけど
右ウイング家長に対する鬼さんの信頼が絶大だからなあ
ただ天皇杯清水戦みたいに左でも縦にいけるなら左でもやれるだろうけど
射程圏内じゃ?