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酒井高徳に聞く日本代表の「ポスト長友」問題…名前を挙げた“2人の若手”とは?《なぜ第2の長友が出てこないのか》

記事の内容

酒井選手が指摘する問題の根本原因、そして名前を挙げた2人の若手選手とは?

 数年前、日本は「サイドバック大国」になると、多くの人が期待したのではないだろうか。長友佑都、内田篤人、酒井宏樹、酒井高徳が欧州5大リーグで活躍し、日本人サイドバックの評価が高まった。

 しかし、それは一時的なブームにすぎなかったのかもしれない。今夏、長友と酒井宏樹がJリーグに戻り、欧州5大リーグで活躍するサイドバックが本職の日本人選手は再びゼロになった。

 ドイツ2部のハノーファーで室屋成が主力になり、ベルギー1部のシント・トロイデンで橋岡大樹が準レギュラーになっているものの、レベルも注目度も欧州5大リーグから劣ることは否めない。冨安健洋が新天地のアーセナルで右サイドバックの地位を確立しているが、センターバックが本職で日本代表では同ポジションを務めている。

 サイドバックの人材難は、日本代表のパフォーマンスにも影響している。

 35歳になった長友佑都は依然として日本ナンバーワンの左サイドバックだが、インテル時代と比べると躍動感が落ちた印象を受ける。大崩れしないが、大当たりもない。

 それでもW杯最終予選では4試合連続で先発中で、違いをもたらすような働きはできていない。このまま左サイドが「プロブレムゾーン」であり続けるなら、日本は最終予選でさらに苦しむだろう。

 なぜ日本サッカー界から「第二の長友」が出てこないのか? かつてドイツのシュツットガルトやハンブルガーSVで主力として活躍し、日本代表で長友や内田とポジションを争った酒井高徳(現ヴィッセル神戸)に話を聞いた。

◆◆◆

――日本サッカー界から突出したサイドバックが減ってきていると思います。高徳選手は「ポスト長友」問題をどう見ていますか? 

酒井 難しいテーマですね。きっとみんな、長友選手を凌駕するようなサイドバックがバンと出てきて『うわ、この選手に任せよう』というのを期待していると思うんですけど、そういう理想的な世代交代って世界的にもなかなかなくて。

 現実的に言えば、これは起用する側の問題も関係しているのかなと。たとえば10月のUEFAネーションズリーグの準決勝と決勝で、スペイン代表のルイス・エンリケ監督は初招集した17歳のMFガビを先発で使いましたよね。

 世代交代というのは、監督が周囲から批判を受けながらも『この選手を使うんだ』という強い意志を示し、使い続けなければ起こらない。すごく忍耐力が必要な作業だと思うんです。

 監督からの信頼をあまり感じられないまま、途中から出るだけだったり、たまにスタメンで出るというだけでは、なかなかいいプレーをするのは難しい。若手ならなおさらです。

 僕の個人的な意見としては、もちろん長友さんがすごい選手なのはわかっているんですけど、違う選手を使う勇気がないだけなのかなって思います。

「日本代表はどんな左サイドバックを求めているのか」

――起用法が「ポスト長友」問題の根っこにあると。

酒井 あとはサッカーの戦い方はいろいろあるわけで、日本代表としてどういうサイドバックを求めているのか、それが非常に重要なポイントだと思うんですよね。

 バランスを取れるタイプなのか、超攻撃的なタイプなのか。日本代表はこういうスタイルの攻撃をするから、こういうサイドバックが欲しいということだったら、人選をフォーカスできる。けれど、今ってそれが漠然としている。

 先ほど言ったように、すべての能力を持っているサイドバックなんてそうはいないんですよ。なのに、漠然としたイメージでサイドバックというポジションだけを取り上げて、すべての能力を求めるというのは、選手としては非常に苦しい。

 たとえば10月の日本代表の試合は、(酒井)宏樹がいる右の重心が低くて、長友さんがいる左の重心が高いというのが、僕が見たイメージだったんですね。でも、今までの日本代表で宏樹がああいう低い位置でプレーしていたかといえば、そうじゃなかったと思うんですよ。

 もちろん左の重心を高くしてもうまくいくはずだし、それに適しているのは長友さんしかいないと思う。あれだけ裏へ出て、なおかつ戻る動きをできますか? と聞かれて、手を上げられるサイドバックはJリーグに少ないでしょう。ただ、右の重心を高くするというやり方も、日本代表はできると思うんです。

「左の重心を低くする場合、中山選手はぴったり」

――そうすると酒井宏樹選手の良さがより出る? 

酒井 そうそう。別の媒体のインタビューで、左サイドバックの候補として中山雄太選手(24歳)の名前をあげさせてもらったんですが、宏樹がいる右を活性化して、左の重心を低くするのであれば、中山選手はぴったりだと思う。

 左重心だった試合を、右重心にするだけで、『ポスト長友』問題って解決するんじゃないの、って感じもします。

――日本代表がどういうサッカーをするか、もっとはっきりしてくればいいと。

酒井 と思います。現代サッカーでは、サイドバックの役割はますます多様化しているじゃないですか。

 本当にサイドバックなのかというくらい技術が高い選手がやっていることもあるし、まるでセンターバックのように守れる選手がやっていることもある。役割を実行できる選手がいるか・いないかで、チームのパフォーマンスが大きく変わる。

 たとえばマンチェスター・シティだったら、サイドバックでありながらボランチもできて、高い位置ではサイドハーフみたいにドリブルできる選手が必要とされている。一般的なサイドバックとして優れていても、その役割をできないと試合に出られない。

 一方、チェルシーでは守備を求められたうえで、ウィングバックとして縦への推進力が重視される。

 どういうサッカーをするかというのがしっかりあり、それに当てはまる選手をきちんと選ぶことが、とても大事になっていますよね。

 一人で突破できる選手が見たいなら、そういう選手を使うべきだし、それにあった攻撃の仕方、守備の仕方をチームとして用意しなきゃいけない。

「川崎フロンターレの旗手怜央くんかな」

――では、日本代表ではどんなサイドバックを求めるべきだと思いますか? 

酒井 日本代表の武器は、やっぱり中盤に能力が高い選手が多いことですよね。狭いところでもターンできる、味方を使うことができるというタイプが、日本代表の歴代の中盤を見ても多いと思うんですよ。

 だから、日本代表のサイドバックは自分が目立つというより、まわりに使ってもらうタイプが合っていると思う。バランスを見れて、攻撃参加できる選手です。

 ガンガン前へ行く佑都くんのようなスタイルもすごくいいと思うし、(内田)篤人くんみたいにすっと上がって1試合に3、4回決定的な仕事をするのもいい。2人ともそのうえで守りもしっかりしている。どちらも日本代表っぽいサイドバックだと思う。

 中盤に使ってくれる人たちがいる中で、しっかり反応できるサイドバックっていうのが、日本代表にはぴったりだと思います。

――そのタイプのサイドバックには、具体的にどんな能力が必要でしょう? 

酒井 第一は守備。今の日本代表は毎試合必ず点が取れるというチームではないと思うんですよ。

 じゃあ何が大事になってくるかと言えば、失点しないことですよね。しっかりとした守備をできるのが第一条件。

 それをできたうえで、日本代表はそれほど縦に速いサッカーをしているわけではないので、上がって行くタイミングとか、全体のバランスを見るといった状況判断をできなければならない。それは日本人の良さでもあります。

 あと今までいろんなサイドバックを見てきた中で、一番大事だと思うのは、相手の背後を突けること。サイドハーフの位置に入ったときに、ワンツーや個人技でぐっとギアを上げて相手の背後に走れることがとても重要です。

 ゴールに向かってスプリントする能力があるサイドバックがいると、日本代表の攻撃はさらに活性化すると思います。

――守備をしっかりでき、テクニカルなMFたちに生かされ、バランスを見たうえで背後を突けるサイドバックが、日本代表にふさわしいと。

酒井 そういう意味で、より総合的なサイドバックですよね。何かに特化しているというよりは、全体的に総合スキルが高い選手が、日本代表に合っていると思います。

――W杯最終予選に呼ばれていない選手の中で、このサイドバックを呼んだらおもしろいと思う選手はいますか? 

酒井 川崎フロンターレの旗手怜央くん(23歳)かな。フロンターレでは主に中盤で出ていますが、体を張れて技術もあり、左サイドバックに必要な能力は全部持っていると思うんで。本人がどこのポジションをやりたいかは別にして、左サイドバックを経験すればするほど良くなって行くと思います(※編集部註:このインタビュー後、11月のW杯最終予選で旗手選手は日本代表に初招集された)。

 僕が言う立場ではありませんが、Jリーグで対戦したときに『早く海外へ行きなよ』と話しました。僕は早く海外へ行った方がいいと思う人間のひとりなのでね。

 

1:名無しさん@さかまと!

『左の重心を下げるだけでポスト長友問題は解決』
…なるほど五輪の試合は左の中山がしっかり守備から入った事で
宏樹が上がりやすかったから全体的にチームが纏まってたんだなぁと

 

2:名無しさん@さかまと!

オリンピックの時も酒井が高めの位置を取り、中山はどちらかというと守備に重きを置いた形でバランスは取れていた。
伊東が大外で良さを発揮するタイプなので、インナーラップが得意な山根という選択肢もある。
左にもワイドに張って仕掛けられる三笘もいるし、長友に拘る必要はない。
酒井高徳が言う通り、監督が腹を括って新戦力を試していれば良かった話だと思う。
安西にはもっとチャンスを与えてほしかった。

 

3:名無しさん@さかまと!

サイドハーフの選手を考えると、左SBの重心が高くて右SBが低いのは仕方のないことなんだよね。
南野はサイドを広く使うタイプではないのに対し、右の伊東は広く縦に使いたいタイプ。
だから左SBには攻撃力が欲しいし、右サイドはバランスを取る役割になりがち。
これが伊東の代わりに久保や堂安だったら右SBを高くしてもいいんだけど。
中山は攻撃面に課題があると言われてるけど、五輪見る限りキックの精度は悪くなさそうだし、問題なのは上がるタイミングだけだと思う。
こればっかりは経験を積むしかない。
クラブでもSBで出るようになったみたいだし、代表でも積極的に使ってサイドハーフの選手との理解度を上げてってもいいと思うんだけどなぁ。
しかし、高徳はもう代表でプレーする気がないから言いたい放題だなw
完全に森保をチキン呼ばわりしてる。

 

4:名無しさん@さかまと!

>僕の個人的な意見としては、もちろん長友さんがすごい選手なのはわかっているんですけど、違う選手を使う勇気がないだけなのかなって思います。
みんな、森保監督にたいして、そう思ってる。
SBに限らず他のポジションも。

 

5:名無しさん@さかまと!

>違う選手を使う勇気がないだけなのかなって思います
これは本当にそう思う
今の長友選手であれば
本人は代表引退を表明しているが
酒井高徳選手の方が攻守にはるかに質の高い動きをしている
五輪を通じMFや最終ラインのA代表組との関係を見てきているのに
中山選手<長友選手 になるのは理解不能

 

6:名無しさん@さかまと!

シントで試合に出たり出なかったりの橋岡より、AZで試合に出続けて左右どっちもできる菅原を早く試すべきだと思う。
本来なら安西が担うべきだったけど、DFに限っては海外でガンガンやってる選手を起用した方がいいに決まってる。

 

7:名無しさん@さかまと

非常に的を得た指摘だと思う。
チームとしてどういうサイドバックが欲しいのかは監督がしっかり決めるべきとこだと思うし、代表経験の少ない選手を辛抱強く使っていく覚悟も監督には足りないと思う。
神戸サポとしては代表の左も高徳で問題ない気がするけどね。

 

8:名無しさん@さかまと!

五輪代表の組み合わせで良いと思う。今の長友よりも旗手も中山もスタミナは上、中山は堅実だし旗手はMFも出来るし攻撃的。
それに本職とか誰が決めるんだ?日本代表でのポジションが本職とは限らない。だから、右で冨安、CBに板倉でも全然いいと思う。

 

9:名無しさん@さかまと!

とにかく勇気をもって起用できない弱さに尽きる。
重心の話はなんのための五輪監督兼任だったのか?にも通じる。
こうしてみんなで何故試さない!?と言ってもあの監督の耳には届かない。

 

10:名無しさん@さかまと!

はっきり言ってくれてありがとう!実際戦術の幅が無いというか。。戦術がないというか。。。今の代表は「前向きの守備」以外型がないのよね。選手に依存しているというか・・・

 

11:名無しさん@さかまと!

こういう選手目線での意見は新鮮で聞いていて納得できる部分が多いと思う。
確かに長友が全盛期で活躍していたときは左サイドからの攻撃が多くなっていたし、逆の右サイドはウッチーとかがタイミングを見計らい攻撃に参加したりと役割分担などを行っていたと思う。
そう考えると今は右サイドの伊藤からの攻撃がストロングポイントになっていることが多いと思うから左の重心を下げてみるのも1つの方法なのかもしれないし、
三笘が召集されたことで左サイドの攻撃が活性化されるならフロンターレやオリンピック世代の旗手や中山でも面白いのかなと思う。

 

12:名無しさん@さかまと!

長友も南アフリカW杯でエトーを抑えた後でイタリアに渡ったよね。
A代表で「世界と戦える」という自信をつけさせないと。長友含め高齢化したメンバーを固定化し、さらに最終予選も勝てない。このままではW杯が危ういだけでなく、予選後に何も残らない。
若い選手もタレント揃い、将来性が期待できるだけに、本当に残念でならない。

 

13:名無しさん@さかまと!

長友って経験値は段違いだし精神的支柱とか後進に経験を伝えるって意味だと不可欠なんだろうけど、よくも悪くも「いち選手」としてずっと競争してる感じがするんだよな
その競争心でここまで来たんだろうけどそろそろ余裕を持って欲しいというか視座高く持って欲しいというか
脳筋から脱却してほしいというか

 

14:名無しさん@さかまと!

選手の使い方と、どういう戦術があるのかさえわからない監督が問題なだけだろ。
適性や戦術眼があれば、コンバートして戦術指導だってするはず。
てか、歴代日本人選手でDFの世界レベルって、そもそも少なかったわけだし。
Jリーグの(経験豊富な)外国人監督が特別な戦術をしてるのか?という疑問もあるが。
もっと若手にチャンスをあげないと話にならない。
今の長友をスタメン固定してる森保を批判をする解説者やOBがいない方が気になる。
忖度の世界なのかと。

 

15:名無しさん@さかまと!

ポスト長友問題って。使う方が気づいていないだけでしょ?
はっきりいって本職では無いですがオリンピックでの中山選手なんて元々対人に強くきっちりフォローアップも出来て攻撃も文句ないでしょ。
キーパーとディフェンスの間に低弾道クロス何度も決定機作っていたし。ただ何故か使わない。

 

16:名無しさん@さかまと!

第2の長友が出てこない原因は、ズバリ高徳の言う通り、監督が試さない事に尽きる。

 

17:名無しさん@さかまと!

全盛期の長友が日本代表に求められる左SBだというなら、今現在同じレベルにある選手は居ない。
それは長友本人しかり。そんな幻想を抱くぐらいなら、良さそうな選手を使い試し、チームを作るのが監督の仕事。
それが出来ない時点で辞めるべきだ。

 

18:名無しさん@さかまと!

長友関連で問題なのは長友以外を使わない監督だと思う
ここのところずっと長友を叩く流れがあるけどそれは違うと思うんだよな
めちゃくちゃ代表の功労者だしもっとリスペクトされてもいいはず

 

19:名無しさん@さかまと!

篤人にしても高徳にしても、喋らせるとサッカーがとても深いものなんだと思わされるし、こんなにまで考えながらプレーしてる選手もいるんだなと、サッカーが良く理解できる。
だから、代表見ててももっと説得力のあるチーム構成やプレーが観たいなと思う。

 

20:名無しさん@さかまと!

旗手のサイドバックは現状で色々言われているけど、高徳が言うようにやればやるほど間違いなく良くなると思う。来年欧州へ行くだろうから楽しみ。

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