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清水エスパルスの攻撃を司る、 20歳で無名の長身MFに目を奪われた

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 J1において、テレビ観戦を含め、過去に一度も見たことがない日本人選手は、そう多くはいない。ライターを長く続けていることもあるが、大抵の選手は、これまでにどこかで目にしている。名前さえ聞いたことがない選手となると、これは本当に珍しい話になる。

 今季のルヴァンカップ初戦、川崎フロンターレvs清水エスパルスの一戦だった。配布されたスタメン表には、初めて見る名前が載っていた。記者失格と言われそうなので、目を凝らしてみた。

 西村恭史――2018年、清水エスパルスに入団。ルヴァンカップにこそ、出場経験はあるが、J1のリーグ戦でピッチに立ったことはなく、2019年夏には、J2のファジアーノ岡山にレンタル移籍している。

 だからといって、西村は、J2で十分な経験を積んだうえで、再び清水に戻ってきたわけではない。岡山でも一切、出場機会を得ていないのだ。

 J2の舞台でも一度も出場機会を得られず、再びJ1の清水に復帰するや、即スタメンを飾った。

 岡山でなぜ、出場機会に恵まれなかったか。その理由は定かではないが、それでいながら、清水に戻るやスタメンを飾った理由には、妥当性を感じる。

 身長185cmの、ひょろっとした長身MFは、清水の中で最も目を惹くプレーをしていたからだ。

試合は1-5。清水は川崎に大敗したが、サッカーそのものは、決して悪くなかった。川崎よりパスワークが冴えた時間もあった。

 西村は、その起点になっていた。

 ルヴァンカップには、U-21の選手を最低ひとり、スタメンで起用しなくてはならない決まりがある。清水にとって、西村はその該当者。試合開始当初は、U-21枠を満たすための要員か、くらいにしか思っていなかったが、気がつけば、筆者はこの日初めて名前を知った20歳のMFと、その対面で構える川崎の、五輪代表に名連ねる21歳のMF田中碧を比較していた。

 その翌週に開幕したJ1リーグ。清水は、ホームのIAIスタジアム日本平にFC東京を迎えた。

 シーズン前の下馬評は、清水が降格争い候補で、対するFC東京は、横浜F・マリノスとともに優勝候補に挙げられていた。

 1-3という結果だけを眺めると、FC東京の順当勝ちに見える。実際、ディエゴ・オリヴェイラ、レアンドロ、アダイウトンの3トップは、終盤、爆発的なプレーを見せた。「FC東京、強し!」を印象づけた。

 だが、清水も捨てたものではなかった。どちらがいいサッカーだったか。目に新鮮だったのはどちらか、との視点に立つと、清水に軍配を上げたくなる。

 その清水で、西村はスタメンとして活躍。Jリーグ初出場を初先発で飾ることになった。

ポジションは、4-2-3-1の守備的MF。ひと言でいうなら、低い位置で構えるパッサーだ。連想するのは、バルセロナのセルヒオ・ブスケツ。日本のクラブで言えば、横浜FMの扇原貴宏だ。

 清水の監督は、横浜FMで過去2シーズン、アンジェ・ポステコグルー監督を脇で支えたピーター・クラモフスキー。扇原的な要素が不可欠と踏んだとしても不思議はない。

 その指揮官が抜擢した西村は、頭の位置が高く、視野が広い。ショートパスが鋭く、パス回しにテンポがある。長身なのに、バランスもいい。どんな態勢でもけれんみなく、ボールを受けることができそうなのだ。プレーに安心感もある。

 加えて、高い位置に飛び出していく。前方にスペースを見つけては、そこに入り込み、ボールを受けようとする。扇原やブスケツとの違いを挙げるならばそこだ。

 モダンな選手に見えてしまう。強者FC東京を向こうに回しても、臆する様子はなかった。幅の広いオールラウンダー的な動きを、シンプルかつナチュラルに披露していた。

 この選手、新鮮。イケるんじゃない――とは、筆者が抱いた直感だ。

 出身は、大阪の興国高校。同校サッカー部の出身と言えば、ヴィッセル神戸の古橋亨梧がいる。選手のJリーグへの供給能力は、近年増すばかりで、西村の学年だけでも、プロ入りした選手は5人を数える。

プロに入って2年間、西村は完全になりを潜めていた。表舞台に立つことはあまりなかった。2017年にU-18日本代表候補のトレーニングキャンプに招集されているが、東京五輪の候補選手に選ばれた過去はない。そこに、存在としての面白さを感じる。

 先述のルヴァンカップの川崎戦。西村は、田中碧に代わって川崎側でプレーしたとしても、十分やれたように見えた。続くFC東京戦しかり。西村がFC東京にいれば、その攻撃は外国人選手頼みの現状からもう一歩踏み出した、面白いサッカーができたのではないか。

 実力と知名度との間に、いい意味で最もギャップを抱えた選手。いいサッカーをするうえで欠かせない選手。川崎戦、FC東京戦で、その片鱗を見た気がする。

 リーグ再開後、まず目を凝らしたいのは、この20歳の大型MFになる。

杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki

この記事に対する反応

 

少々誉め過ぎな気もするが、元々技術は高く、清水では貴重な大型ボランチ。
ヨンソン、篠田の両監督には評価されなかったが、クラモフスキー監督の
ショートパスを繋ぐ戦術なら、竹内、六平より適任かと思う。
中盤をヘナト、中村、西村で構成したら結構期待できる。
後は1試合走り切れる為のスタミナとペース配分が課題。

 

選手権に出て全国に名が知れてた訳でもなく、他クラブと争奪戦して注目されて入団した訳でもないから
無名と言われても仕方ないないかもだけど、清水サポからの期待は高かった。

そういった選手が注目され他チームの関係者、サポから評価されるのは嬉しい。
高木和道なんかはそうだった。三浦弦太もかな。

 

清水が降格争い候補で
だから記者がこの表現してほしくない。優勝したいから「優勝争い」っていうでしょ。
清水は降格をいの一番にしたいわけではない。するならば「残留争い」。

さて、本題。西村選手がというより清水はこうした若い選手をたくさん起用して色々な可能性を出そうとしている。
過去の北川選手や松原選手もそう。今活躍している金子選手もその一人。
昨年なら西澤選手や滝選手も出てきた。良い相乗効果で伸びてほしいし、活躍してもらいたいです。

 

トライアングルを作って相手の守備を崩すのも上手くクレバーなプレーも多かった。
このサイズで20歳の若さ。選手名鑑のアンケート「もしサッカー選手じゃなかったら」の問いに「社長」の回答。
スケールの大きさは計り知れない。
エスパルスを、日本を代表する選手になってくれる逸材に違いない!

 

おすぎかよ!!
無名は失礼だけど、まぁしょんないか。
この身長で運べる、散らせる、前線に入って行ける。
そしてしっかり守れる。貴重なCMF。
スタミナは目に見える課題だと思うけど、まだまだ伸びるよ。
西村は。

 

FC東京戦でも大事な場面でシュートふかしてしまったり、多少の課題はあるものの、ここまでやれるとは思わなかった。
ヘナトが帰ってきたときに相方が誰になるのか、一気に読めなくなった。
ポジション争いが活発になるのはチームとしても良いことだと思う。
このままコンディション上げていって欲しい。期待してます。

 

高卒でJ1クラブに入団した選手に無名ってのはどうなんだ?ゲキサカとかでアマ選手の情報に触れる機会も多い世の中で…
とはいえ清水が昨季とは全く異なる面白くなりそうなサッカーしてたのは事実だし、若手でそこに絡んでる西村にも期待したいね

 

入団してから、期待して見ていた。
指揮官の指導力は、凄い。怪我なく、レギュラー掴んでくれ。

 

まだ2試合で判断するのは早いと思いますが、楽しみな選手であることは確かです。
清水には、高校、大学で全国区になった選手が入団することは希なので、
こういう選手をしっかりと活かして、戦力を上げていく必要があります。

中断期間を活用して戦術浸透を図り、再開後のさらなる飛躍を期待します!

 

2019シーズン、天皇杯ファジアーノ対フロンターレを観戦。後半25分まで西村のよさはでていた。
しかし残り20分、足がとまり試合から消え、交代になった。

その辺が、ファジアーノで信頼を得られない要因だった感じです。
2020シーズン、攻撃面での西村のよさは出ている。今年期待する選手のひとりです。

 

無名とはちょっと言い過ぎでは・・
エスパサポにとっては待望の大型ボランチですよ。
西村がヘナト級の守備力とスタミナを着ければ代表だって狙える逸材です。

 

今や名門の興國出身だからな。
活躍してもらわないと、むしろ困るよ(愛を込めて)。期待してますよー!!

 

長身の左利きで日本にいないタイプ。海外サッカー原理主義の杉山が好きそうだな。

 

やはりおすぎか。
ともあれ、若手に注目するのはいいこと。

 

コメントじゃなくて署名記事で降格争いって書かれると残念な気持ちになる

 

無名ってお前が無知すぎなだけやん

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