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高円宮杯U-18サッカーリーグ2022 プリンスリーグ関西1部で開幕から6試合負けなしで第2節からは5連勝と好調の興國(大阪)。その興國で注目のアタッカーが永長鷹虎(川崎F)から11番を受け継いだMF千葉大舞(ちば ひろむ/2年)だ。千葉はバイエルン(ドイツ)が主催する2005年生まれの世界選抜チームに参加し、6月にはブラジル合宿を経験。バスコ・ダ・ガマU-20戦ではカウンターから抜け出し華麗なループシュートでゴールも記録した。
チームは千葉が不在の間にインターハイ大阪予選で代表の座を逃してしまったが、プリンス再開後の第7節、阪南大高戦ではブラジルから帰ってきた千葉が2アシストと3得点に絡む活躍で早速、"世界選抜"として圧巻のプレーをみせた。その千葉にブラジルでの活動などの話を聞いた。
ーーまず、今回の活動の内容と感想を教えてもらっていいですか?
バイエルンが色々な国の代表歴のある同年代の選手を集めて世界選抜を作って、ブラジルとドイツで合宿をするんですが、ブラジル合宿では強豪のフラメンゴU-20とバスコ・ダ・ガマU-20と戦ってきました。一度帰ってきて今度はドイツで合宿をして、最終的にはバイエルンのU-19と試合をします。バイエルンのトップチームに帯同できるという話もあるんですが、全員が参加できるかは僕にもわからないですし、一人だけなのかもしれないんですが、まずはそこで一番をとるつもりでブラジルではやってきました。
スタッフの方の言葉はわからなかったんですが、ジェスチャーで理解はできました。これがバイエルンのスタッフかと凄く感じました。コミュニケーション能力も凄くあって、自分が一番感じたのはフィジカル面、アジリティの部分は凄く違いを感じてそこが課題だと思いました。プリンスの阪南大高戦ではそれを活かせたなと思うので、行って正解だったと思います。
ーー以前から高卒で海外に行きたいと言っていたと思うんですが、今回の話があった時に行こうと決めた理由を教えてください?
チャンスだと思ったからです。こうやって一人で海外に行くという経験が無かったので、一人で勝負をしたいという気持ちが強くて、すぐに内野監督に"行きたい!"と言いました。
ーー今まで年代別代表では海外に行っていますよね?
はい、トルコに行ってチェコ代表とチュニジア代表と試合をしました。
ーーチームで海外に行くのと、一人で行くのとでは全然違うと思うのですが、今回の合宿でどう感じましたか?
チームだと日本人同士で不安なことも話せるんですが、一人だと不安なことも話せないので行く前は不安があったんですが、向こうに行ってからは練習前とかに何とか英語で話して仲良くなったりとか、サッカー中は"日本人でもこれだけできるぞ"という違いをみせて仲良くなったりできました。
ーー向こうに行ってみたら全然やれるな、という感覚ですか?
そうですね、向こうからコミュニケーションを取って来てくれて、特にブラジル人が凄く話してきてくれたので、ストレスなくやれました。
ーー海外の選手と一緒に生活してみて、どんなところに文化の違いを感じましたか?
食べ物では肉の量が全然違って、食べる量も違いました。あとはブラジル人選手が5人ぐらいいたんですが、ブラジル人は常にサッカーボールを持っていて、ビーチに行ってもサッカーボールでビーチバレーをやっていたりとか。そういうところにサッカー王国を感じました。
ーー対戦相手のフラメンゴとバスコ・ダ・ガマはどうでしたか?
いい意味で遊ばれている感がありました。内野監督も脱力といつも言っているんですが、そういうところが日本と全然違って、結果も出すしプレーでも魅せるので凄いなと思いました。それでも自分のストロングポイントである、前を向いてドリブルで仕掛けてゴールに直結するプレーというのは全然出せたので、あとは課題の守備のところを改善できればと思っています。
ーー日本の同年代の中ではフィジカルは強い方だと思うのですが、それでも全然違いましたか?
はい、全然違いました。抜かれた後の粘り具合だったり、ブラジル人は常に前向きでプレーしようとするので、抜けれてもファールしようとしてくるんです。そういうところに"絶対失点したくない"というのを感じましたし、守備陣の怖さが全然違くて簡単にはやらせてもらえない感じがありました。
ーー今までは想像で海外に行きたいと言っていたと思うのですが、今回の合宿を経験してみて考えが変わったところはありますか?
自分が想像していたより全然やれるという手応えはありました。
ーーブラジル合宿を経験したことで次の7月のドイツ合宿に向けて気持ちも違うと思うのですが、そこはどう思っていますか?
次はバイエルンのスタッフたちの前でプレーをするので、もっと結果を出さないといけないですし、チャンスがあれば契約を勝ち取る事も狙っていますし、最後のバイエルンU-19との記念マッチでも結果を出すのが今の目標です。
ーープリンスでは日本に帰ってきていきなりの活躍でしたが、帰ってきてやり易さは感じましたか?
凄く感じました。やっぱり話せるっていうのが全然違くて、向こうでは言葉でのオーガナイズが出来なかったので、自分がフリーの時にパスを出して欲しいとかをプレーで示すしかなかくて。でも興國ではポジション取りだったり、パスも"良いところに出してくれるな"と凄く感じました。あとは海外に行ったことで自分の守備の強度が強くなったと感じました。凄くボールを取れる回数が増えたので、そこは経験として活きた部分だと思うので、インターハイがある中で、行かせてくれた監督やチームメイトに感謝したいです。
ーー先制点のアシストの場面でも脱力出来ていて、プレッシャーが来ていても思い通りのプレーが出来たように見えましたが?
監督からも"良い守備からじゃないと良い攻撃は出来ない"と言われていたので、良い守備から良いところで前向きで受けられたので、足の速い山﨑(帝)君に速いパスを付けられて、思い通りのプレーが出来ました。
ーーインターハイ予選では千葉君の不在もあってゴールが中々決まらなかった印象ですが、そこはどうみていましたか?
準決勝の関大北陽戦でもシュートまでは行っているんですけど、最後のバリエーションとかアイデアが少なかったと思っていたので、自分が出たら得点に繋がるシュートチャンスを作る事を心掛けていました。アシストも出来て4-0という結果も嬉しかったです。
ーーインターハイ予選の準決勝はブラジルで観ていましたか?
はい、気になっていたのでYouTubeで生で観ていて、攻めているのは攻めているんですけど、ミスから予想も出来ないロングシュートだったので、その1点が大きかったと感じました。チームとしてやりたいことをやっているというよりもやらさえている感が僕の中では観ていてありました。
ーー海外から自分のチームを見るといつもと違うようにみえたのでは?
やっぱりミドルシュートの量が足りなかったかなと思います。最後の最後まで崩すとなってしまっているのかなと観ていて思いましたし、DF西川楓人君が一本ミドルを打ったんですが、あんな感じでどんどんシュートを打っていかないとなと思いました。相手もあれでDFラインを上げないといけなくなると思うので、もっと興國のチャンスが増えたのかなと思います。
ーーインターハイは終わってしまいましたが、プリンスや選手権へは改めてどう考えていますか?
プリンスは今のところ順調で、去年はセレッソにいたんですが、興國の試合も観させてもらっていて、前期は良かったんですけど後期で引き分けが多くなってしまったので、今年は後期もこのまま勝ち続けてプレミアに行きたいと思っています。
選手権に対しては、僕のお兄ちゃん(FW千葉大護/星稜)が選手権に出て僕も観てきたので、凄く憧れがあって夢でもあったので、凄くそこで結果を残したいという想いが強いです。インターハイで優勝できなかったので、選手権という大きい大会で自分が試合に出て、3年ぶりに全国に行く事が目標です。
3:名無しさん@さかまと!
こんな選手もいるんだ 宇佐美ですらダメだったけど、頑張ってほしいな